Vol.424 2025.3.11

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Column

オペラに紐づけられるイタリアの町 その1

 自分にとってのローマと問われれば、まず“トスカ”が思い浮かぶ。


 ローマという町の背景が描くのは何もオペラばかりではない。またオペラ史を振り返ったとしても、何もこのプッチーニの作品ばかりがここローマのご当地オペラというわけではない。

 たとえば、古いところからいえばヘンデルの“ジュリアス・シーザー”しかり、ロッシーニのブッファ“チェネレントラ”そしてセリアの代表、ドニゼッティによる“ルクレツィア・ボルジア”もローマに関連している。ヴェルディ作曲の“ナブッコ”しかり、“アッティラ”だってローマに根付いたストーリーで展開していく。

 長年、音楽に携わる仕事をしてきたということもある。ミラノより移動しながらはじめてこの紀元前より繁栄を極めた壮大な町へたどり着いた時の印象がいまもなお色褪せずにいるのであろう。

 テルミニ駅、共和国広場、そしてローマ歌劇場という導線で動いたことまではっきり記憶している。30年前のことである。そしてローマ歌劇場での初めてのオペラが“トスカ”であった。
はじめて訪れたあちこちに遺跡の露出する町に度肝を抜かれて、そこで観た“トスカ”である。記憶に残らぬはずがない。

 またそのタイミングとは異なりとある取材で“トスカ”に纏わる史跡めぐりをしたことがある。オペラの舞台となったところを実際の時代と重なる19世紀初頭を想定しながら、自分の足で廻ったわけである。

 別件でヴェネツィア広場を訪れていたわたしのそぞろ歩きはそこからはじまっている。その辺り馬車での移動のほうが貴族の日常であったのだろうが、とにかく広大なローマを歩いてみたかった。そうすることでプッチーニの空想に寄り添うとともにそのオペラを咀嚼できると思ったからである。
 サンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会は、テヴェレ川のうねりに孕まれるかのようにヴェットリオ・エマヌエレ通りに佇んでいる。独特なファサードとフレスコ画の美しいクーポラが印象的であり、天井画「聖アンドレアの栄光」は圧巻、美しく荘厳なバロック様式とみてとれる。変哲のない扉を開ければその壮大なクーポラに驚くことになる。

 最初の舞台となるオペラの第一幕では、カヴァラドッシの描くキャンバスを含めてやや暗めの教会内部が自分の脳裏には残るが、実際は神々しさの溢れる空間とでも言おうか。祭壇前の椅子に腰を下ろしていつまでも浸っていたいところであった。

 しかしいつまでもそうしてはいられず、次は第二幕の舞台となるファルネーゼ宮殿に向かうのである。自分の足でどのくらい掛かるものか、その当時スマホなるものはまだ存在しておらず、キオスクで購入した町マップを広げて、コンパクトに折り曲げて歩いたことを思い出している。

ローマのスペイン広場(Piazza di Spagna)

堂満尚樹(音楽ライター)
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